ジェルボール型洗濯洗剤を自殺目的に摂取した界面活性剤中毒の1例

  • 樋口 遥水
    茨城西南医療センター病院 救急科
  • 武田 多一
    茨城西南医療センター病院 救急科 筑波大学附属病院古河坂東地域医療教育センター

書誌事項

タイトル別名
  • A case of surfactant self-poisoning with laundry detergent pods

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説明

<p>自殺目的にジェルボール型洗濯洗剤を摂取した界面活性剤中毒の症例を経験したので報告する。70代の男性。既往歴はアルコール依存症・双極性障害・糖尿病性腎症 (維持透析中) 。自宅で意識がない状態を家族に発見され救急要請された。発見時, 周囲に青色の吐物があり, 来院後に挿入した経鼻胃管から青色の胃内容物が流出した。自宅を捜査した警察からの情報で, 自宅にあったジェルボール型洗濯洗剤による界面活性剤中毒が疑われた。気管挿管を行い, 入院のうえ人工呼吸器管理・血液透析を実施し, 意識障害が改善したため第5病日に抜管した。患者は搬送前にジェルボール型洗濯洗剤を数個飲んだことを認めた。第23病日に精神科診療の対応可能な医療機関に転院した。ジェルボール型洗濯洗剤は高濃度の界面活性剤を含むため中毒の危険が大きい。本邦では主に小児の誤飲に注意喚起されているが, ジェルボール型洗濯洗剤の普及により今後, 成人の中毒も増加する可能性があり注意が必要である。</p>

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