日本総合健診医学会 第51回大会・シンポジウム3 健診の精度向上への挑戦 臨床検査における精度保証の取り組み

  • 蓮井 康嗣
    シスメックス株式会社 臨床戦略・学術本部 学術部

書誌事項

タイトル別名
  • Introduction of Sysmex Activities and Services for Quality Assurance of Clinical Tests

抄録

<p> 臨床検査を安心して行い、検査データの信頼性を確保することは、医療の質の向上、また患者への適切な医療を提供するために不可欠かつ重要な役割を果たしている。近年、検査の品質向上のため臨床検査室認定の一つである国際標準化機構が定めたISO 15189(臨床検査室─品質と能力に関する要求事項)認定1)を取得する検査機関が国内外で増加してきている。また平成30年12月1日から施行された改正医療法により、国内で検体検査の精度確保に関する基準が法令化された2)。この変更により、遺伝子関連・染色体検査においては内部精度管理の義務化と外部精度管理調査への参加が努力義務とされ、遺伝子関連・染色体検査以外の検体検査においても、精度管理は努力義務として位置づけられた。これにより、検体検査の精度保証の重要性が一層高まることとなった。</p><p> シスメックス株式会社(以下、我々)は、検体検査を行う機関に対して、血球分析や尿、凝固・線溶、免疫、一部の遺伝子検査分野の分析装置、試薬、精度管理試料(以下コントロール)を、また日本では臨床化学や血清分野のコントロールを供給している。同時に、検体検査を安心して実施でき、検査室が品質の維持および向上を進められるよう、ISO 15189認定取得の支援をはじめ、外部精度管理や血球計数装置の校正等、精度保証に関連したサービスを長年にわたって実施してきた。本稿では検体検査の精度を保証する取り組みとして、以下の精度保証サービスに関連した取り組みを中心に紹介する。</p><p>・ネットワークを用いた外部精度管理</p><p>・精度保証サービスの品質マネジメントシステム(QMS)</p>

収録刊行物

  • 総合健診

    総合健診 50 (6), 617-627, 2023-11-10

    一般社団法人 日本総合健診医学会

参考文献 (2)*注記

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