月経言説と生理用品の商品化 : 研究レビューを踏まえた問題提起

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タイトル別名
  • Menstrual Discourse and the Commercialization of Sanitary Products : Issues Raised Based on Research Review
  • ゲッケイ ゲンセツ ト セイリ ヨウヒン ノ ショウヒンカ : ケンキュウ レビュー オ フマエタ モンダイ テイキ

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抄録

本稿の目的は,生理用品のベーシックインカムを提唱する前段階として,研究レビューで月経と生理用品に関する議論の到達点と課題を明らかにすることである。具体的に,月経に関する言説を整理した結果,宗教・神話の文脈において月経が誇張して語られる一方,現実生活で月経をタブーとみなす言説・規範が強く,月経教育の必要性と重要性が見えてきた。そして経血処置の材料と方法を歴史的にみると,量産の生理用品を利用することで現代の月経者はかつてより自由に行動できるようになったものの,月経処置の方法があまり大きく変わらない。月経者が自分の経験・ニーズを自由に共有することもまだできていない。その大きな原因として,生理用品が「商品」として普及してきたことが指摘された。この商品化により月経処置の経済的コストが個人に押し付けられ,月経にまつわる多くの課題が隠蔽され,結果的に月経処置の自己責任が強化されてしまう。本稿は以上を踏まえ,生理用品支給の意義を検討した。

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