AMED「臨床研究中核病院以外の医療機関に対するQMS/RBAに関する教育研修」研究班活動報告~アンケート調査結果(医療機関用)~

DOI
  • 小居 秀紀
    国立精神・神経医療研究センター情報管理・解析部
  • 稲田 実枝子
    北九州市立病院機構機構本部経営戦略課臨床研究推進係
  • 田村 奈津子
    広島大学病院広島臨床研究開発支援センター
  • 林 直子
    広島大学病院広島臨床研究開発支援センター
  • 福田 真弓
    国立循環器病研究センター臨床研究推進センター
  • 山田 知美
    大阪大学医学部附属病院未来医療開発部
  • 甲田 亨
    大阪大学医学部附属病院未来医療開発部
  • 鈴木 啓介
    国立長寿医療研究センター先端医療開発推進センター
  • 桃井 章裕
    慶應義塾大学病院臨床研究推進センター
  • 松嶋 由紀子
    慶應義塾大学病院臨床研究推進センター
  • 小村 悠
    国立がん研究センター東病院臨床研究支援部門/医薬品開発推進部門
  • 高田 宗典
    東北大学病院臨床試験データセンター

抄録

<p>【目的】本研究班は、地域、疾患領域、臨床研究者・支援専門職のネットワークを活用し、臨床研究中核病院(以下「臨中」)以外の医療機関を対象に、研究者主導臨床研究及び医師主導治験における品質マネジメントシステム(QMS)の実装に向けたRisk-based approach(RBA)の概念に関する研究者及び研究支援者への教育研修を目的に活動した。我々は、臨中以外の医療機関におけるQMSやRBAの理解度、臨床研究者・支援専門職の体制整備状況、QMS構築やRBA実装に係る取組み、ノウハウ、課題等を調査することを目的に、アンケート調査を実施した。</p><p>【方法】本研究班メンバーが関与する、地域、疾患領域、臨床研究者・支援専門職ネットワークを対象に、令和4年11月29日から令和5年2月14日の期間に、Webにアクセスし記名式で回答する方法で実施した。各医療機関内では臨床研究推進センターや治験管理室等で集約し、1つの回答として提出いただいた。なお、本調査は、AMED令和4年度研究開発推進ネットワーク事業(課題管理番号:22yk0126016h0001)として実施した。</p><p>【結果・考察】有効回答は59件(臨中4件、臨中以外の医療機関55件)で、その内訳は、Sponsorの役割のみ6件、Investigatorの役割のみ23件、両方の役割30件であった。支援専門職の配置状況は、臨中以外の医療機関は臨中との比較で、Sponsorの役割の担当者の配置は少なく、一方で、Investigatorの役割の担当者の配置での乖離は小さかった。また、QMSやRBAの理解度、実装の状況に乖離があり、特に臨中以外の医療機関におけるRBA実装の実績は、Sponsor、Investigatorの役割のいずれにおいてもまだ少なく、QMSやRBAに関する教育・トレーニングは自機関主催ではほぼ実施していない現状が確認できた。また、Quality by Design(QbD)に関する設問では、Sponsor内のデータハンドリングやデータセット保管に関する項目は、データ収集・提供に関するプロセスとの比較で、研究計画時のフィードバックが実施していないとの回答の比率が高かった。今後のQMS構築やRBA実装に係る啓発活動、外部機関主催で多くの医療機関から参加できる教育研修の機会設定が必要と思われた。</p><p>【結論】臨中以外の医療機関に対して、臨床研究・治験におけるQMS/QbD/RBAに関する研究者及び研究支援者への教育研修の機会提供が期待される。また、医療機関管理者や臨床研究支援部門責任者への啓発・理解も必要と考える。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580217715944832
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.44.0_1-c-o02-6
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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