日本人複雑性腹腔内感染症患者におけるセフタジジム/アビバクタムの母集団PK/PD解析

DOI

抄録

<p>【目的】セフタジジム/アビバクタム(CAZ/AVI)は、第三世代のセファロスポリン系抗菌薬とβラクタム骨格を持たない新規のβラクタマーゼ阻害薬の配合剤であり、米国や欧州等世界各国で複雑性尿路感染症(cUTI)、複雑性腹腔内感染症(cIAI)および院内肺炎(NP)などの適応症が承認されているものの、日本では2023年6月30日時点で未承認である[1, 2]。cUTIおよびNP患者対象の日本人を含む国際共同第3相試験、非日本人cIAI患者対象の国際共同第3相試験ならびに日本人cIAI患者対象の国内第3相試験において、CAZ/AVIの有効性および安全性が認められ、国内ではCAZ/AVIの承認申請中である。本発表では日本人cIAI患者を対象とした国内第3相試験(NCT04927312)のPK/PD解析結果を報告する。</p><p>【方法】日本人患者 59 例(cIAI患者58例)から得られたCAZおよびAVIの血漿中濃度データを用いて解析を実施した。CAZ/AVIの既報の母集団 PKの最終モデルに基づき、本試験に組み入れられた患者の人口統計学的共変量および血漿中濃度データを用いて、日本人cIAI患者におけるPKパラメータのベイズ値を推定した[3]。また、事前に定めた曝露量の目標として、CAZについては非結合型血漿中濃度が投与間隔の50%以上で8 mg/L(腸内細菌目細菌および緑膿菌の臨床分離株の大部分でCAZ/AVIの最小発育阻止濃度をカバーする濃度)を超えていることとし(50%fT>CAZ-AVI MIC 8 mg/L)、AVIについては非結合型血漿中濃度が投与間隔の50%以上で閾値濃度(1 mg/L)を超えていることとした(50%fT>CT 1 mg/L)。</p><p>【結果・考察】 日本人cIAI患者におけるCAZおよびAVIのPKデータは、一次消失過程を含む2コンパートメントモデルによって適切に説明可能であり、モデルの診断プロットおよびvisual predict check により、既報の母集団PKモデルにより十分表現できることが確認された。CAZおよびAVIの曝露量の推定値は、日本人と非日本人で類似していた。さらに、すべての日本人cIAI患者で、事前に定めたCAZおよびAVIの曝露量の目標を同時に達成した。</p><p>【結論】本解析結果は、PK/PDの観点から、非日本人cIAI患者における承認用法・用量が日本人cIAI患者においても適切であることを支持した。</p><p>【参考文献】</p><p>[1] ZAVICEFTA SmPC 2022</p><p>[2] AVYCAZ [ceftazidime and avibactam] for injection, US Prescribing Information 2020</p><p>[3] Li, J. et al. Clin Transl Sci. 2019;12(2):151-163</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580217715966464
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.44.0_1-c-p-c1
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ