臨床試験の質に関する重要な要因(critical to quality factors)の考え方-ICH E8(R1)(「臨床試験の一般的な指針」の改正)のこころを読み解く-

  • 小宮山 靖
    日本製薬工業協会医薬品評価委員会データサイエンス部会

説明

<p>ICH E8の改定、これに続くICH E6の改定がICHにおけるGCP Renovationの枠組みにおいて進行中である。いずれも四半世紀ぶりの大改定である。臨床試験/研究データや文書の電子化や、新しい試験デザインに柔軟に対応することはもちろんのこと、従来からGCPの柱の一つであった倫理性をさらに掘り下げた患者中心の考え方が盛り込まれていたり、チェックリスト的なGCPから考えさせるGCPに変容しようとしていたり、臨床試験/研究の質の管理技術を後ろ向きなアプローチから前向きなアプローチに転換させようとしていたり、ICHから見れば外部の利害関係者であるアカデミアや患者団体がガイドライン作成段階から関われるようにしたり、大改定にふさわしいさまざまな意図が盛り込まれたり、取り組みが行われている。本講演が焦点を当てるのは、「臨床試験/研究の質の管理技術を後ろ向きなアプローチから前向きなアプローチに転換させようとして」いる部分である。現行のGCPであるICH E6(R2)でも、リスクの特定やリスクに対する業務プロセスへの事前の質の作りこみが推奨されているが、GCP Renovationにおいて重要なことは、新たに導入されたCritical-to-Quality Factor(CTQ要因)という概念とその運用である。CTQ要因に対する理解がなければ、E6(R2)からE6(R3)への変化も実感できないであろう。本講演では、CTQ要因とは何なのかを解説するとともに、それによって質の管理技術がどのように"整理し直されるのか"についても論じたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580217715987200
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.44.0_1-c-el05
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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