スマートフォンを用いたプロスペクティブスタディー_OTC頭痛治療がもたらすQOL改善効果

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Abstract

<p>【目的】頭痛は、広くみられる症状であり、経済的影響もある疾患の一つである。頭痛により学校や仕事を休むだけでなく、集中力や注意力などにも悪影響があり、OTC医薬品を利用して対処している患者も多い。今回、スマートフォンを用いて、頭痛患者の現状や対処方法、QOLの変化を調査した。</p><p>【方法】日本で6か月以内に頭痛を経験し、主にOTC医薬品で対処している18歳以上の452名を登録。この中で頭痛を報告し、OTC医薬品治療のみを実施した方を対象に調査を実施した。調査には、スマートフォンを使用し、自発的な報告を記録した。主要評価項目は、ベースラインから投与後2時間までの11点NRSによる疼痛強度の変化、副次的評価項目として4つの認知パラメータ(集中力、注意力、洞察力、明確に思考する能力)および3つの機能パラメータ(複数の業務を同時に行う能力、精算的に物事を行う能力および全体的な生活の質)のベースラインから治療後2時間までの変化とした。</p><p>【結果】登録者452例の内、326例が頭痛を報告し、196例がOTC医薬品治療のみで対処していた。OTC医薬品治療による2時間後の痛みは、平均 でNRSの値が4.9から1.9ポイントへと低下した(p<0.0001)。頭痛の軽減とQOLの回復の間には正の相関を示し、頭痛に伴う認知・機能パラメータは発症時と比較して、OTC治療2時間後に全て改善が認められた(p<0.0001)。 </p><p>【考察】頭痛は、認知および機能パラメータ、患者QOLを低下させ、頭痛の症状が出ている時にこれらパラメータが関与する事を実施し、成果を上げる事は困難であろうと思われる。頭痛時に我慢をして働く(学習する)事が本当に成果として出ているのか、こういった点も今後考えて行く必要があるのではないか。また頭痛により学校や仕事を休んだという方が、頭痛の程度に関わらず5%以下であった。頭痛では「休めない」という方が、多いことも日本の実情であり問題点ではないだろうか。今回のQOL改善結果をもとに、頭痛の際には治療薬を選択肢に加えることの重要性を周知していきたい。</p><p>【COI】NN, OM, YK, RO, AS, KH, IKは現在エスエス製薬株式会社の社員であり、LCはサノフィ社の社員である。サノフィ社は、エスエス製薬株式会社の株を100%保有する親会社であり、NN, OM, YK, RO, AS, KH, IK、LCはサノフィの株式またはストックオプションを保有する可能性がある。本発表の元になる試験は、サノフィ社が資金を提供し実施した。</p>

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