血管炎治療の最前線

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<p>血管炎は、チャペルヒルコンセンサス会議2012で、主に罹患する血管のサイズにより分類されている。大血管炎には、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎が含まれ、中血管炎には結節性多発動脈炎、川崎病などが含まれる。また、ANCA関連小血管炎として、顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症が、免疫複合体性小血管炎には、クリオグロブリン血管炎、IgA血管炎が含まれる。</p><p> 血管炎の治療はいまだステロイドが中心であるが、免疫抑制薬、生物学的製剤なども積極的に用いられる様になってきた。高安動脈炎、巨細胞性動脈炎には、ステロイド、各種免疫抑制薬と共に、抗IL-6受容体抗体であるトシリズマブが保険承認され用いられる様になった。新たな治療ガイドラインが作成予定となっている。結節性多発動脈炎にはステロイドと共に重症度に応じてシクロホスファミドなどが用いられるが、厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班より治療の手引きが出版された。顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症に対しては、ストロイドに加えて、シクロホスファミドまたは抗CD20抗体であるリツキシマブが広く用いられる様になってきた。ステロイドを減量して投与するプロトコールも報告されている。更に、近年C5a受容体拮抗薬であるアバコパンが使用可能となった。今後、適応患者、使用法などに関するエビデンスが示されることが期待される。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に対しては、抗IL-5抗体であるメポリズマブも用いられる様になっている。2023年にANCA関連血管炎診療ガイドラインが出版されている。</p><p> このように、血管炎治療も確立され治療ガイドラインもアップデートされている。また新規の治療薬も開発され、今後更なる治療法の発展が期待される。</p>

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