これからの私の臨床薬理学

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抄録

<p>私は、高校卒業後、慶應義塾大学経済学部を経て、昭和大学医学部に入学、眼科を経て、現在、昭和大学臨床薬理研究所に勤務している。学生、初期臨床研修医時代を通じて、診断よりも治療に興味があったが、1つの診療科で診断から治療まで完結できる診療科が理想との考えで、興味をもったいくつかの診療科から眼科を選択した。その後、大学院に入学した。この眼科選択と大学院入学が臨床薬理学にすすむ切っ掛けとなった。眼科臨床では、クリニカル・クエスチョンが多かった。大学院では、角膜の基礎研究を行った。大学院で研究後、臨床に戻った後に、その結果を元にした臨床研究に関与する機会を貰った。その時に、初めて臨床研究に分担医師として関与し、臨床研究の重要性と難しさを感じた。しばらく臨床を続けていたが、クリニカル・クエスチョンはやはり多く、臨床薬理研究所で臨床研究を勉強したいと思った。現在は、異動後2年目になるが、治験業務に関わったり、臨床研究を計画したりしている。クリニカル・クエスチョンからリサーチ・クエスチョンにすることの難しさを日々感じている。 ここで、女性の労働状況について触れたい。従来、日本の女性の就業率はM字カーブを描くとされていて、それは医師も変わらない。落ち込む年齢は30代で、その就業率は70%台後半である。この落ち込みは時代と共に小さくなっている。また、医師における女性割合は、2020年時点で22.8%であるが、若年ほどその割合は高く、30代以下では30%を超えている。次に、医学歯学分野の研究者における女性割合は、2021年時点で28.3%である。研究者の女性比率は、今後の女性医師の比率の上昇、M字カーブの落ち込みの減少に伴い、増加することが期待される。 最後に、臨床薬理学を学んでいる中で今後したいことを述べる。まずは、今の治療・予防に使われるEBMの根拠を作るため、科学的なアプローチだけでなく、倫理的な配慮についても学びたい。また、現在計画中の臨床研究を実施・完了させたい。その中で、臨床薬理学をさらに習得していきたい。研究所の業務に関しては、治験業務を滞りなく進められるようになり、責任医師も務められるようになりたい。さらに、勤務先の理解を得ながら、仕事と家庭の両立も考えていきたい。行き詰った時には、臨床薬理学の継続の可能性について、その都度betterを考えて行動していこうと考えている。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580217716311680
  • DOI
    10.50993/jsptsuppl.44.0_3-c-s43-5
  • ISSN
    24365580
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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