災害時における衛星リモートセンシングの実利用に向けた研究開発-「衛星ワンストップシステム」の開発-

書誌事項

タイトル別名
  • Towards the Practical Use of Satellite Remote Sensing in Disaster Response - Development of Satellite One-Stop System and its Social Implementation -
  • 2023-12-25

抄録

自然災害が発生した際に,被災地を広域に把握する手段として,周期性・網羅性・広域性を有する地球観測衛星の活用が期待されている.戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2 期における研究開発項目の2 番目である「Ⅱ 被災状況解析・共有システム開発」において,「衛星データ等を用いて,一定条件下において,昼夜,天候を問わず数百km 四方の範囲の被害状況を政府の防災活動に資するよう発災後2 時間以内に観測・分析・解析する技術を開発すること」を目指した研究開発を防災科研が代表となって実施した.その結果,技術開発としてのアウトプットとして,災害時に衛星観測を活用するためのリソースの類型化を行い,災害時の衛星活用に向けた4 つのステップ(Trigger, Select, Process, Deliver & Share)を新たに提案し,それらを実現する各種技術と情報システムを開発し,それらを利用可能な情報システムとして「衛星ワンストップシステム」を開発した.2019 年から2022 年にかけての災害対応を通じた実践・実証により,提案したコンセプトおよび開発技術の有効性を確認した.これらの取り組みにより,今後の小型衛星等の拡大によって,本研究プロジェクトが開発した技術を活用す ることにより,発災直後の衛星観測を実現し,衛星データを速やかに取得・集約化を行い,衛星データを用いて実施した解析データを情報プロダクツとして早期提供が実現可能であることを示した.その上で,研究開発したシステムを社会実装するために,検討要素ごとに論点や方策等の整理を行い,今後の取り組みの方針案とロードマップ案を提示した.さらに,今後の研究課題等を明確にした.

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