浮腫を主訴とした高齢者のビタミン B<sub>1</sub>欠乏症の一症例

  • 金指 桜子
    群馬大学大学院 医学系研究科総合医療学
  • 小和瀬 桂子
    群馬大学大学院 医学系研究科総合医療学
  • 奥 裕子
    群馬大学医学部附属病院 地域医療研究・教育センター
  • 佐藤 浩子
    群馬大学大学院 医学系研究科総合医療学
  • 佐藤 真人
    群馬大学大学院 医学系研究科総合医療学
  • 金子 尚子
    群馬大学大学院 医学系研究科総合医療学 社会医療法人輝城会 沼田クリニック
  • 大山 良雄
    群馬大学大学院 保健学研究科看護学講座
  • 田村 遵一
    群馬大学大学院 医学系研究科総合医療学

書誌事項

タイトル別名
  • 症例報告 浮腫を主訴とした高齢者のビタミンB₁欠乏症の一症例
  • ショウレイ ホウコク フシュ オ シュソ ト シタ コウレイシャ ノ ビタミン B ₁ ケツボウショウ ノ イチ ショウレイ

この論文をさがす

説明

症例は 85 歳男性。2 年前より下腿浮腫が出現し,半年前から皮疹の出現及び浮腫の増悪を認め,当科紹介受診となった。一般血液尿検査や心機能等は正常であった。独居高齢者であったため,ビタミンB1欠乏を疑い測定したところ低値であり,ビタミンB1欠乏症と診断した。 さらに,近年当院で最近経験した 10 症例のビタミンB1欠乏症例について検討を行った。ビタミンB1欠乏症は従来アルコール依存症に多い疾患とされてきたが,飲酒習慣のない症例も多く認められた。また,高齢患者においては独居や配偶者との死別を契機に偏食を生じた症例が認められた。高齢化社会と核家族化による独居高齢者の増加,インスタント食品の普及とも関連して,高齢者におけるビタミンB1欠乏症は今後増加すると考えられる。多様な症状を呈するビタミンB1欠乏症において,詳細な生活歴の聴取は診断の契機として重要であると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ