整形外科領域における医療訴訟の解析

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  • セイケイ ゲカ リョウイキ ニ オケル イリョウ ソショウ ノ カイセキ

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抄録

訴訟が比較的多い整形外科領域に関して，1999 年から 2018 年までの 20 年間の 92 件を解析した。判決数は前期 10 年 45 件，後期 10 年 47 件と同等であったが，請求棄却率（医療側勝訴率）が著明に増加し，過失すら肯定されない事件の頻度も増加していることが判明した。医療安全に向けた関係者の営みが結実しつつあ り，医療の不確実性に対する裁判所の理解が深まりつつあると思われたが，現在でも過失が肯定された場合には高率に請求が認められていることが判明した（通期 88％，前期 97％，後期 71％）。敗訴，訴訟，紛争のリスクを低減する必要性が再認識された。標準的診療に精通し実施すること，記録化を怠らないこと，無過失補償 制度の創設や，手術合併症を担保する保険商品の開発を行うことは，こうしたリスクの低減に資すると期待される。

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