漫才視聴により誘発されるポジティブ感情を評価する生理指標の探索

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Abstract

<p>感情は身体の状態に影響を及ぼす.故に感情を適切に評価することは重要である.心理的バイアスの影響を受けずに感情を客観的に評価する方法として,脳・自律神経生理信号を利用できる可能性がある.本研究は,「お笑い」により誘発されるポジティブな感情(面白い等)を反映する生理指標を同定することを目的とする.20代健常男性14名に6種類の漫才コンテンツを視聴させた.漫才間の平均音量の差は2dB未満に設定した.また視聴中に面白いと感じた瞬間にイベントボタンを押させた.さらに各漫才を視聴後にその漫才に対して,「斬新さ」,「面白い」等9つの質問項目にVAS法で主観評価させ,主成分分析により質問項目点数を合成した第1主成分得点(総合評価を反映)をもとめた.漫才視聴中の脳波,心電図,呼吸を計測し,脳波の各帯域パワーをもとめ,主観評価の第1主成分得点(主観評価総合点)の順位間で比較した.その結果,左右側頭部と前頭部の脳波β帯域パワーとγ帯域パワーについて,主観評価総合点が1~3位と4~6位間の全ての組み合わせにおいて,統計的有意差が認められた.次に視聴中の脳波β・γ帯域パワーを5秒ごとに計算して観察した結果,面白いと感じたタイミングにおいて脳波β・γ帯域パワーが上昇する傾向が見られた.これらの結果より,漫才視聴により誘発されるポジティブ感情は左右側頭部の脳波β帯域パワーとγ帯域パワーから評価できる可能性が示唆された.</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390580295543925504
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.159_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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