膀胱鏡画像におけるtiny-YOLOを用いた腫瘍検出
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説明
<p>【背景】膀胱癌は経尿道手術後に再発が多い腫瘍であり、膀胱鏡での腫瘍の見落としが原因とされている。内視鏡での観察は、従来の白色光(WLI)の他に、NBIを使用するが、いずれの腫瘍検出精度は検者の技量・経験に依存するため、検査の再現性・客観性が少ないことが課題である。近年、人工知能(AI)が多くの医療分野で活用されており、AIによる検査は、客観性・再現性を持った上で、エキスパートレベルと同程度の診断能を持つ可能性があるとされている。今回、WLI/NBI膀胱鏡画像を用いて、AIによる腫瘍検出の精度を検証した。【方法】2019年から2021年まで、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)の際に、WLI/NBIを用いて観察を行った症例の手術動画から膀胱鏡画像を作成し、腫瘍を含む画像を腫瘍画像、腫瘍を含まない画像を正常画像と定義した。腫瘍画像内の膀胱腫瘍を矩形でアノテーションを行い、テストデータ用の画像を用いてAIによる感度、特異度、陽性的中率を評価した。AIでの物体検出はtiny-YOLOを用い、腫瘍検出精度の検証を行った。【結果】WLIとNBIから、それぞれ腫瘍画像をそれぞれtiny-YOLOで学習を行い、腫瘍画像(WLI: 525枚、NBI:219枚)と正常画像(WLI:98枚、NBI:108枚)で精度検証を行った。AIによる物体検出の感度/特異度/陽性的中率は、WLIで87.8%/88.8%/97.7%、NBIで82.2%/81.4%/90.0%であった。【結論】膀胱鏡画像において、AIにより比較的良好に腫瘍検出が可能であった。更なる精度改善、リアルタイム検出への課題について、文献的考察を加え報告する。</p>
収録刊行物
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- 生体医工学
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生体医工学 Annual61 (Abstract), 255_2-255_2, 2023
公益社団法人 日本生体医工学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390580295544030976
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- ISSN
- 18814379
- 1347443X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可