対向する携帯端末操作歩行者への視線と回避行動

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抄録

<p>高齢歩行者が対向する歩きスマホに遭遇した際の反応・挙動の研究に関連して,歩行者が回避判断のタイミングや必要な視覚情報をどう得ているか検討する.一対一のすれ違い状況を作り,3条件下で回避に関わる距離,タイミング,視線解析を行った.被験者は健常な20代男性とする.幅2mの直線平面通路を用いる.被験者は対向者と10mの距離で向かい合い,両者は合図により歩行開始(約4km/h)する.対向者は直進するが,被験者には途中で対向者を回避させる(条件1). 条件1に加え,被験者は対向者の頭部,胸部,脚部いずれか指定された部位を注視して歩行する(条件2).あるいは対向者がスマートフォンを操作しながら歩行する(指定されたテキスト入力)(条件3).条件1(歩行)では被験者は対向者の顔を見る回数が多く,下方の脚部を殆ど見ない.回避行動準備のため対向者の顔から情報を得ようとすると考えられる.条件2(特定部位注視)において,回避行動開始タイミングが最も早かったのは胸部を注視先と指定した場合であり,次いで頭部,脚部を指定した順であった.視線を上半身に向けていると早い段階で回避行動を開始できると思われる.異なる被験者でも同様の結果が得られた.条件3(スマホ)では,回避行動開始が早くなった.俯いてスマホ操作し,前方に注意を払わない対向者に対して危険意識が働いたと考えられる.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual61 (Abstract), 281_1-281_1, 2023

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580295544063488
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual61.281_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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