症例報告 原発不明癌に続発した二次性後腹膜線維症の1例

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  • 原発不明癌に続発した二次性後腹膜線維症の 1 例
  • ショウレイ ホウコク ゲンパツ フメイガン ニ ゾクハツ シタ ニジセイ アトバラマク センイショウ ノ 1レイ

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後腹膜線維症は通常自己免疫学的機序で発症するが,種々の疾患に続発する形で発症するケースもある。 原発不明癌に続発した後腹膜線維症を報告する。 症例は頻尿を主訴に近医で加療されていた 60 歳代の男性。 両側尿管狭窄による腎後性腎機能障害に対して腎瘻が造設され,後腹膜線維症の疑いで当院に紹介された。 血清腫瘍マーカーが高値であり( CA19 - 9 653.1 U/mL, SPan-1 456.4 U/mL) ,悪性腫瘍に続発する後腹膜線維症を疑ったが,画像検査および腹腔鏡下腹膜生検で悪性腫瘍の所見が得られなかった。特発性後腹膜線維症としてステロイド,タモキシフェンによる加療を行うも無効であった。診断 7 か月後にS状結腸穿孔を来たし,切除断端近傍の組織所見から上皮性悪性腫瘍の病理診断を得た。原発不明癌として化学療法を行い,腫瘍マーカーの低下および尿管狭窄の改善を一時的に認めたが,最終的に死亡した。 後腹膜線維症の診療では常に悪性腫瘍の潜在に注意すべきである。

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