特発性脳脊髄液減少症の 一例

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タイトル別名
  • 症例報告 特発性脳脊髄液減少症の一例
  • ショウレイ ホウコク トクハツセイ ノウ セキズイエキ ゲンショウショウ ノ イチレイ

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説明

脊髄液減少症は脳脊髄液腔から髄液が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄圧が減少し頭痛や頚部痛をはじめとした多彩な症状を呈する疾患である。 したがってこの疾患は低髄液圧症候群と言われることもある。 今回我々は特発性脳脊髄液減少症の 50 代女性の一例を経験した。 主訴は立位及び座位での頭痛。仕事中に突然前頭部痛が出現している。来院時に軽度の項部硬直を認めた。 3 分間程度の座位保持で嘔気とめまいを伴った頭痛が出現したが臥位にて消失。 頭部造影MRIでびまん性の硬膜肥厚を認め,腰椎穿刺での髄液初圧が30mm水柱であったことから脳脊髄液減少症と診断した。入院にて安静と点滴加療を行い徐々に頭痛は改善した。 脳脊髄液減少症はその症状が多彩であるにもかかわらす疾患に対する認識が低いため診断に苦慮することが多い。脳脊髄液減少症の頭痛やめまいは日常生活に支障を来たす事が多く,不定愁訴と安易に対応せず客観的な評価と治療を行う必要があると考えられた。

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