Complete ophthalmoplegiaを呈した中脳傍正中–両側視床梗塞の1例

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タイトル別名
  • A case of bilateral paramedian midbrain–thalamic infarction with complete ophthalmoplegia

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抄録

<p>81歳女性.意識障害を主訴に当院に搬送された.両側の眼瞼下垂と眼球運動障害を認め,complete ophthalmoplegia(CO)を呈していた.頭部MRI検査により,中脳傍正中から両側視床の脳梗塞を認め,それらに起因した動眼神経核障害とpseudo abducens palsy(PAP)と診断した.抗凝固薬を導入し,リハビリを開始したが,非閉塞性腸管虚血症と誤嚥性肺炎を発症し,第21病日に永眠された.中脳梗塞におけるCOは稀であり,外転神経障害を伴わずに外転障害を呈するPAPという病態を呈する.これは,輻輳を抑制するニューロンの障害に起因する病態である.また,過去の報告症例からは,生命予後も不良である可能性が高いため,このような特徴的な所見を認めた場合は,早期に病態を理解し,患者家族への適切なインフォームドコンセントが必要である.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 46 (1), 42-46, 2024

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (12)*注記

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