重症COVID-19患者のECMO稼働時の血液製剤使用状況についての検討

  • 山田 歩奈
    藤田医科大学大学院保健学研究科
  • 松浦 秀哲
    藤田医科大学大学院保健学研究科 藤田医科大学病院輸血部 藤田医科大学医療科学部
  • 阿部 祐子
    藤田医科大学大学院保健学研究科
  • 中川 理恵
    藤田医科大学大学院保健学研究科
  • 三浦 康生
    藤田医科大学病院輸血部 藤田医科大学医学部輸血細胞治療科

書誌事項

タイトル別名
  • Use of blood products during ECMO in patients with severe COVID-19 and ischemic heart disease
  • ジュウショウ COVID-19 カンジャ ノ ECMO カドウジ ノ ケツエキ セイザイ シヨウ ジョウキョウ ニ ツイテ ノ ケントウ

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抄録

<p>体外式膜型人工肺(extracorporeal membrane oxygenation; ECMO)を使用する重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例は血液製剤を要するが,その使用状況についての報告は少ない。2019年11月から2021年8月までに当施設でECMO治療を受けた重症COVID-19患者19名の患者背景,血液製剤の使用量,ECMO稼働時間,臨床検査値,転帰を調査し,解析を行った。同時期にECMOを稼働した虚血性心疾患(IHD)患者18名を対照とした。ECMO稼働中,両群ともに臨床検査値の低下時とECMO離脱に際して輸血が行われていた。IHD症例ではECMO導入早期に各血液製剤が使用されていた。一方で,COVID-19症例では血液製剤が連日使用されており,特に新鮮凍結血漿(fresh frozen plasma; FFP)使用量がIHD症例と比較して有意に多かった。輸血療法の目安として臨床検査値が一般的であるが,ECMO稼働症例では両群ともにECMO離脱時にも輸血が実施されており,治療の進捗状況に留意する必要がある。輸血管理部門としては臨床検査値,治療状況を把握し輸血要請に迅速に対応できる製剤管理を行う必要がある。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 73 (1), 25-30, 2024-01-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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