東日本大震災被災地に住む女性の被災体験

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書誌事項

タイトル別名
  • Experiences of the Great East Japan Earthquake for Women Currently Living in the Disaster-affected Area
  • ─Through the Women’s Narratives Seven Years After the Disaster─
  • ─被災後7年後の語りから─

抄録

<p>東日本大震災被災地に住む6名の女性を対象にして,2018年8月に震災直後から7年間の被災体験から復興期のメンタルヘルスを含む健康支援について明らかにすることを目的とした半構成的面接調査を行った。面接の録音内容を逐語録とし,質的データ分析法を用いて解析した結果,逐語録から抽出した180のコードを,«震災を経験して残る罪悪感と喪失感»,«甚大な津波被害に対する憤り»,«時間ともに風化していく震災の記憶と防災意識への焦り»,«家族や自宅やコミュニティが無事だったことで確保できた生活»,«災害時に活かせた暮らしの伝承に基づく家事知識と技への自負»,«過去の経験と今回の被災体験からの学びを伝えたい思い»,«災害から家族を守りたいという思い»,«震災を経験した活動で得られた充実感»の8カテゴリに集約し,これをさらに【震災を振り返ると沸き上がるネガティブな思い】,【震災直後から心の支えとなったコミュニティのつながりと世話役割】,【震災を経て得られた使命感と充実感】の3コアカテゴリに集約した。対象女性においては,社会とのつながりをもてる活動や世話役割が被災後の生活や精神面における支えとなっていた一方で,被災による喪失感も癒えていないことが明らかになった。以上より,災害後においては,悲嘆プロセスがたどれるような支援や女性が生活の張りを感じられるような環境の提供が必要であることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580450402086912
  • DOI
    10.20685/kenkouigaku.32.3_368
  • ISSN
    24239828
    13430025
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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