胸腔鏡・腹腔鏡併用手術が有用であった肝性胸水を伴う横隔膜交通症の2例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Case Reports of Pleuroperitoneal Communication with Massive Pleural Effusion Treated by a Combination of Thoracoscopy and Laparoscopy
  • キョウコウキョウ ・ フククウキョウ ヘイヨウ シュジュツ ガ ユウヨウ デ アッタ カンセイ キョウスイ オ トモナウ オウカクマク コウツウショウ ノ 2レイ

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抄録

<p>症例1は53歳,男性。腹水を伴うアルコール性肝硬変で当院消化器内科に通院中であった。呼吸苦が出現し当院を受診された。胸部X線写真で右胸腔に大量の胸水貯留を認めた。利尿薬やアルブミンを投与するも改善しなかったため手術の方針とした。胸腔鏡・腹腔鏡を併用し,横隔膜の瘻孔部を同定し,組織接着用シート(タコシールⓇ︎)とポリグリコール酸シート(ネオベールシートⓇ︎)を貼付後に,フィブリン糊(ベリプラストPⓇ︎)を噴霧し閉鎖した。症例2は67歳,女性。C型肝硬変で当院消化器内科へ通院中であった。経過中,胸水貯留による呼吸苦を認め,胸腔ドレナージを施行した。横隔膜交通症を疑い1例目と同様に閉鎖した。術後合併症なく両名とも退院された。横隔膜交通症に対する術式として低侵襲な鏡視下手術は有用であった。また縫縮が困難な場合には,組織接着用シートなどによる補強も選択肢の1つになると思われた。</p>

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