バーチャルリアリティを用いた助産師の危険予知教育システム

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  • An education system for hazard prediction in midwifery tasks using virtual reality

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抄録

本論文では,分娩前後の助産師の処置において,起こりうる危険を予知する能力を評価・学習するシステムを構築した.本システムではバーチャルリアリティ用のヘッドセットを用いて,3次元コンピュータグラフィクスにより再現した分娩室において,危険の生じやすい場所に対して行動を選択するという模擬作業ができる.室内の妊婦・褥婦や使用機材は,模型や実物の3次元スキャンデータを用いることで高い再現度を実現させた.また,使用者の視線を常に計測し,危険個所に視線が留まったときに質問板を出現させ,処置を選択できるようにした.本システムを助産師14名と助産師学生18名に使用してもらい,再現された分娩室と危険個所に対する行動選択を評価した.その結果,分娩室の再現度について肯定的な意見は8割以上であり,現場を再現できているといえる.また,注視した場所に対して行動選択できたという意見は9割以上であり,良好な結果を得ることができた.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→さまざまな場面において,危険に気づく能力が経験に依存している問題をテーマにしている.<br>この能力を定量的に評価し効率的に教育する必要性を感じたことがきっかけである.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 本研究は助産を対象としているが,看護・介護にも応用可能であり,それらの安全性向上に貢献可能である.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→行動の自由度を高め,行動に対する状況変化を伴ったインタラクティブ性を高めるようにシステムを発展させる必要がある.

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