治験協力者へのアンケート調査にもとづく本邦における治験薬の被験者宅への輸送に関する課題の抽出

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タイトル別名
  • Consideration of the Implementation of Direct to Patient Approach in Clinical Trials in Japan Based on Questionnaire Survey
  • チケンキョウリョクシャ エ ノ アンケート チョウサ ニ モトズク ホンポウ ニ オケル チケンヤク ノ ヒケンシャタク エ ノ ユソウ ニ カンスル カダイ ノ チュウシュツ

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抄録

<p>分散型臨床試験(DCT)と呼ばれる新しい臨床試験のスタイルでは,治験薬を医療機関から被験者宅に輸送する “Site to Patient” や,治験薬を医療機関を介さずに被験者宅へ直接配送する “Depot to Patient” などの新しい方法論を活用することで,被験者が治験薬の受領に際して低い頻度,あるいはまったく医療機関を訪問することなく臨床試験への参加を可能とする.一般社団法人ARO協議会に属する医療機関の治験担当者を対象にしたアンケート調査にもとづき,Depot to Patientの導入に伴う業務負担の変化やその受容性,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下に実施した臨床試験におけるSite to Patientの経験やSite to Patient導入時のオンライン服薬指導への印象について調査した.Depot to Patientの導入は業務の負担軽減につながることを期待する回答が得られたが,治験薬管理責任の所在や治験薬配送業者の選定や契約関係のあり方が課題として特定された.また,COVID-19流行下でもSite to Patientの実績は限られており,実施した担当者は業務負担の増加を感じていた.Site to Patient実施時における対面によらない服薬指導の実施には治験薬管理者からは否定的な意見が多く寄せられた.薬機法改正に伴いオンライン投与指導が可能となった今,その経験や知見の集積がSite to Patient実施時の対面によらない服薬指導にも活かされることが期待される.</p>

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