山岳地のブナ樹冠変化追跡のためのRTK非搭載UAVで撮影した写真による3次元表面点群作成:撮影方法と標定点設置の組み合わせにおける視認性と精度評価

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タイトル別名
  • Creation of a 3D surface-point cloud from photographs taken by a non-RTK UAV to track beech-canopy changes in mountainous areas: Evaluation of clarity and accuracy when used in combination with a defined shooting method and marker points

抄録

<p>ブナハバチの葉食によるブナ高木の樹冠形状の変化を省力的にモニタリングするための技術開発の一環として、インターネット接続が困難な山岳地においてRTK非搭載のUAVで撮影した写真を用いて位置精度の良い3次元モデルとオルソ画像作成を可能とする空中写真の撮影方法とSfM処理の方法を検討した。UAVは丹沢山地の丹沢山と蛭ヶ岳の山頂一帯およそ20haの範囲において2021年と2022年の7月下旬から8月上旬の期間に、地上解像度を2cm/pixelに設定して地表面に対して概ね一定の高度で半自動で飛行させた。オーバーラップ率とサイドラップ率をそれぞれ80%以上と60%以上とした直下視往復平行写真と、カメラレンズを下向き前方20°あるいは30°に傾けオーバーラップ率とサイドラップ率をそれぞれ40%程度と30%程度とした斜め視往復写真を撮影した。準天頂衛星「みちびき」の補正信号を用いた仮想基準局と連動させた二周波GNSSを使用してPPP-RTK方式で測位したGCPと検証点をそれぞれ上空が開けた場所と登山道の階段やベンチなどの固定地物の一角に設定した。撮影した写真は、Metashape Professional(Agisoft社)により撮影方法と標定点使用の組み合わせ、SfM処理の品質を変えてカラーオルソ画像と高密度点群を作成し、樹冠の視認性と位置精度を比較した。直下視写真と斜め視写真を使用しGCP補正を組み合わせて高品質でSfM処理した場合に0.3m内外の空間座標精度があり、樹冠を識別して追跡可能な樹冠の欠損や枝の露出の視認性が良いカラーオルソ画像と3次元モデルが作成できた。この方法は、レンズキャリブレーションやGCPの配置などに課題は残されているが、単木レベルのモニタリングで経年的な比較を可能とすると考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580461190431744
  • DOI
    10.18960/hozen.2234
  • ISSN
    24241431
    13424327
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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