アスナロ精油の抗腫瘍効果に関する研究

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タイトル別名
  • Antitumor effect of Asunaro essential oil

抄録

<p>今日,がんに対する集学的治療の発展により,がん患者の生命予後は以前より改善された.さらに副作用が少なく患者に優しい治療の一つとして,かおりを用いた治療の開発が望まれている. 我々は液体クロマトグラフィーを用いて,アスナロ精油に含まれる抗腫瘍因子であるツヨプセンを同定した.ツヨプセンの腫瘍増殖抑制効果は,MTT アッセイを使用して分析された.アスナロ精油に含まれる抗腫瘍因子であるヒノキチオールと比較すると,ツヨプセンは腫瘍増殖抑制効果が強く,拡散範囲が狭い傾向が見られた.がん細胞においてツヨプセンと結合するタンパク質としてPKM2が同定された.またツヨプセンをがん細胞に作用させることにより,細胞内の乳酸生成が減少した.以上より,アスナロ精油に含まれるツヨプセンはがん細胞のPKM2に結合し,がんの嫌気性代謝経路を阻害して乳酸の生成を抑制し,がん細胞に細胞死を誘導することが示された.</p>

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参考文献 (14)*注記

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