インプラント治療による下歯槽神経障害の状況別薬剤の知識

DOI
  • 佐々木 研一
    東京歯科大学口腔顎顔面外科学講座 関東・甲信越支部

書誌事項

タイトル別名
  • Drug Protocol for the Present Status of Inferior Alveolar Nerve Disturbance on Dental Implant

抄録

<p>近年はCTが歯科臨床に登場し,さらにはガイデッドサージェリーなども普及して,より安全な医療を提供する医療機関が増加している.これと相まってインプラントによる神経障害件数は漸減傾向にあるが,不幸にもインプラントにより神経障害が発症した場合には患者の生活は一変し,日常生活に支障をきたす場合もある.したがって神経障害に対しては正確な診断が重要であり,その診断に基づいて治療法が選択される.神経障害(損傷)における各種薬剤の選択は末梢神経の各種病態(損傷形態)により異なり,その後の対応(神経修復手術を行うか否かなど)によっても異なる.さらに部分的あるいは完全なNeurotmesisでは時間とともに外傷性神経腫が形成されることが多く,正確な診断に基づくこれらの病態を踏まえた薬剤の使用が重要である.</p><p>インプラント治療を行う者は,神経障害に対する治療の流れや薬剤選択の根拠,使用法などを理解する必要がある.また,神経修復手術は手術用顕微鏡を使用するきわめて特殊な手術で,このようなマイクロサージェリーは40歳までの若いうちに習得する必要があると言われており,安易に手を出すべきではない.いたずらに投薬や経過観察に終始せず,早期に専門の神経検査や神経修復手術が可能な口腔外科を受診させるべきである.専門医療機関(紹介先)が遠方の場合は,連携を取りながら診断,治療を進めることとなるため,一次医療機関でもSeddonの3分類(Neurapraxia,Axonotmesis,Neurotmesis)および外傷性神経腫による神経障害性疼痛の薬剤使用について理解しておく必要がある.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580561420538368
  • DOI
    10.11237/jsoi.36.233
  • ISSN
    21879117
    09146695
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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