抄録
type:Article
スマートニュースメディア研究所では、これまでに発信者の立場に立って情報発信を行う「情報を発信してみよう!」など、体験型のメディアリテラシーの授業実践を行ってきた。本稿で紹介するのは、人為的にニュースのフィルターバブル「空間」を創出して、学生や生徒の意見の変化を観察しつつ、学生(生徒)自身にも自分の意見の変化に気づいてもらうという「実験型」の授業である。具体的には、2022年2月から始まったロシア・ウクライナ戦争についての情報を題材とし、学生(生徒)が「ロシア寄り」「ウクライナ寄り」に偏った情報群を見せ、どちらに正義があるのかなどの「戦争観」の変化を聞き、学生(生徒)の気づきについて探った。特に、「ロシア寄り」の情報群を見た学生(生徒)に大きな変化があらわれ、自身の考えの変化に気づいた学生(生徒)たちが、ニュースへの接し方を考え直したり、「フィルターバブル」に陥ることの問題点を自覚するという結果となった。2022年4月~7月までに、2つの大学、2つの高校で実施した授業におけるデータを紹介しつつ、得られた知見について報告する。
収録刊行物
-
- メディア情報リテラシー研究
-
メディア情報リテラシー研究 4 (1), 113-126, 2023-02
法政大学図書館司書課程
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390580605027120128
-
- ISSN
- 24350338
-
- Web Site
- http://hdl.handle.net/10114/00030049
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB