市町村の自律的な地域マネジメント力向上と都道府県の役割

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タイトル別名
  • Improvement of autonomous community management capability of municipalities and role of prefectures in management of long-term care insurance

抄録

<p>目的:2015年の介護保険制度改正において地域支援事業の見直しが行われ,介護予防・生活支援サービス等の多様化や地域ケア会議,在宅医療・介護連携,認知症総合支援事業,生活支援体制整備事業等による包括的支援事業の充実が図られた.これにより市町村には,地域の実態把握や課題分析を通じて地域の多様な関係者とともに課題に対応する機能,すなわち地域マネジメント力が求められることとなった.本稿では,市町村に求められる地域マネジメントの考え方と,そのために都道府県が果たすべき役割について,これまでに行った調査研究事業の成果を踏まえて紹介する.</p><p>地域マネジメントの考え方:地域マネジメントは厚生労働省が示す地域包括ケアシステム構築のプロセスそのものであり,地域の多様な主体との連携・協働を通じて介護保険制度の理念を実現するための手段と言える.市町村職員が,多様な関係者とともに高齢者を支える地域をつくっていくためには,「自ら課題を考え解決しようとする意識」「暮らしを支える視点に立った取組の見直し」「本当に解決すべき地域の課題を見極める力」が求められる.</p><p>市町村の地域マネジメント力向上のための要点:市町村職員がおさえるべき地域マネジメントの要点を整理した.一つ目に,地域の目指す姿をイメージすること.地域マネジメントは手段であり,その手段を通じて実現したいありたい状態をイメージできることが重要である.二つ目に,目指す姿に対する地域の現状を把握すること.高齢者の暮らしの困難さや地域の支援の実態,地域の力の3 点から現状を把握することが重要である.三つ目に,課題を見極めること.課題とは目指す姿と現状のギャップを埋めるために取り組むべきこととして,課題設定の考え方を整理した.</p>

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 72 (5), 410-421, 2023-12-28

    国立保健医療科学院

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580626907876096
  • DOI
    10.20683/jniph.72.5_410
  • ISSN
    24320722
    13476459
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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