単孔式腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した低異型度虫垂粘液性腫瘍(LAMN)の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Single-incision Laparoscopic Assisted Ileocecal Resection for Low-grade Appendiceal Mucinous Neoplasm (LAMN)

抄録

<p>症例は65歳男性.便潜血反応陽性を指摘され,下部消化管内視鏡検査を施行した.盲腸に40mm大の粘膜下腫瘍様病変を認めた.腹部造影CTを施行したところ,同腫瘍を先進部とし腸重積を疑う所見を呈していたが,身体診察上腹痛はなく,血液検査所見でも炎症反応の上昇を認めなかった.虫垂粘液性腫瘍が第一に考えられたが,鑑別疾患としてカルチノイドや虫垂癌,悪性リンパ腫などが挙げられた.診断と治療目的に加え,より低侵襲性・整容面を求め,手術手技・術野展開を工夫し,D3リンパ節郭清を伴う単孔式腹腔鏡補助下回盲部切除を施行した.病理組織診断で低異型度虫垂粘液性腫瘍(LAMN)と診断された.現在再発兆候は認めておらず,経過観察中である.LAMNの治療方針に関しては外科的治療が原則とされるが,診断方法や術式,術後経過観察期間などに関して一定の見解はなく,今後症例を蓄積し,検討が望まれる.</p>

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参考文献 (9)*注記

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