仮性動脈瘤を伴う膵動静脈奇形に対し膵全摘術を施行した1例

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  • A Case of Total Pancreatectomy for Pancreatic Arteriovenous Malformation with Pseudoaneurysm

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抄録

<p>症例は59歳の男性.心窩部痛が出現し改善しないため,当院受診した.腹部単純CTで膵体部に石灰化を伴う腫瘤性病変を認めた.EUSで腫瘤部は血管主体であり,脾動脈瘤破裂を疑う所見であった.造影CTを施行したところ膵全体に拡がる動静脈奇形と診断し,膵全摘が必要と判断した.手術待機中に心窩部痛が再度出現し,CTで脾動脈瘤出血を認めたが,保存的治療で軽快し,待機的に膵全摘術,脾摘術を行った.膵周囲は炎症の影響か剝離に難渋し,異常血管の発達も認め剝離の際に出血量が多くなった.また,腫瘤は門脈とも一塊となっており門脈再建を要した.術後は胆管空腸吻合部狭窄,肝膿瘍のため治療を要したが,術後46日目に退院となった.病理組織学的検査では大小様々な血管の集簇を認め,周囲膵腺房は萎縮と線維化を認め,膵動静脈奇形として矛盾しない像であった.</p>

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