サヌースィー教団

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The Sanusi Order
  • The Libyan Sufi Order That Led the Anticolonial Movement
  • 反植民地闘争を率いたリビアのスーフィー教団

抄録

<p>第一次世界大戦前の一九一一年からリビアはイタリアによって過酷な植民地支配を受け、多くのリビア人が犠牲になった。そのなかで社会参加型の視点をもった神秘主義思想を目指したサヌースィー教団の活動は、戦間期のネオ・スーフィズムの一環であったとみなされる。その活動は砂漠の遊牧民の団結を目標に展開され、ジハードを掲げて武装集団を指揮し、リビアへ侵攻するヨーロッパ列強の撃退を担った。創始者の大サヌースィーによって最初の修道場が建設されて以降、特に第三代教団長の下では、リビア以外のエジプト、スーダンでも外国勢力と戦うことになった。神秘主義教団によるゲリラ戦は負け戦になることが多かったが、第二次世界大戦では連合軍に加わり、小規模ながらこの参戦によって戦後の一九五一年一二月にリビア連合王国の独立を勝ち取った。サヌースィー教団の活動は、西洋列強による植民地政策に抵抗する政治的活動を宗教的に意味づける効果があった。</p>

収録刊行物

  • 宗教研究

    宗教研究 97 (2), 153-173, 2023-09-08

    日本宗教学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580793828946176
  • DOI
    10.20716/rsjars.97.2_153
  • ISSN
    21883858
    03873293
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ