ニッケルチタンロータリーファイルによる彎曲根管模型の根管形成

DOI
  • 新井 恭子
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座
  • 湊 華絵
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座
  • 佐藤 友則
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座
  • 横須賀 孝史
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座
  • 松田 浩一郎
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座
  • 清水 公太
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第2講座
  • 両⻆ 俊哉
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座
  • 北島 佳代子
    日本歯科大学新潟生命歯学部歯科保存学第1講座

書誌事項

タイトル別名
  • Root Canal Preparation of a Curved Root Canal Model with Ni-Ti Files: A Comparison of the Single Length Technique and Crown Down Technique
  • ―フルレングステクニックとクラウンダウンテクニックの比較―

抄録

<p> 目的:ニッケルチタン製ロータリーファイル(Ni-Tiファイル)のNEX NiTiファイルMs(NEX)は,フルレングステクニックとクラウンダウンテクニックの2通りの方法で使用できるファイルとして開発されている.しかし,根管形成の相違などの詳細についての報告は少ない.本研究の目的は,NEXを用いたフルレングステクニック(NF)とクラウンダウンテクニック(NC)により透明彎曲根管模型に根管形成を行い,総拡大形成時間,形成時の荷重,形成後の根管偏位量について評価することである.</p><p> 材料と方法:30度彎曲透明根管模型END-TRAINING-BLOCを,NF,NCおよびステンレススチール製Kファイル(SSK)で根管形成した(各群n=9).総拡大形成時間と形成時の荷重を測定し,根管形成前後の重ね合わせ画像を用いて根尖孔から0,1,2,3,4,5,6,7,8mmの位置における根管偏位量を求めた.結果は一元配置分散分析の後,BonferroniまたはGames-Howellで多重比較検定を行った(p<0.05).</p><p> 結果:NF群とNC群の総拡大形成時間はSSK群に比べて有意に短かったが,NF群とNC群の間に有意差はなかった.押し込み荷重と引き抜き荷重は,NF群とNC群のいずれもSSK群に比べて有意に小さかったが,NF群とNC群の間には有意差がみられなかった.NF群とSSK群の間では,0,1,2,4,5,7,8mmの位置で根管偏位量に有意な差があった.NC群とSSK群の間では,0,1,2,7,8mmの位置で有意差が認められた.NF群とNC群の間ではすべての位置で有意な違いは存在しなかった.</p><p> 結論:NEXを使用したフルレングステクニックとクラウンダウンテクニックによる根管形成法は,いずれもSSKと比較して彎曲根管を適切に,良好に拡大形成することができた.また,NEXを用いたフルレングステクニックによる根管形成は,既存のSSKを使用した規格形成法から新たにNi-Tiファイルによる根管形成法を行う場合の導入としても有効であることが示された.</p>

収録刊行物

  • 日本歯科保存学雑誌

    日本歯科保存学雑誌 67 (1), 40-47, 2024-02-29

    特定非営利活動法人 日本歯科保存学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580793828959104
  • DOI
    10.11471/shikahozon.67.40
  • ISSN
    21880808
    03872343
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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