当科における急性喉頭蓋炎73例と気道確保との関係

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タイトル別名
  • A Review of Airway Management in 73 Cases of Acute Epiglottitis

抄録

<p> 急性喉頭蓋炎は急激な気道閉塞を引き起こし致命的になり得る疾患であり, 迅速な診断と治療を要する. 気道確保の方法は, 過去の報告では大半の症例で気管切開がされていたが, 近年では内視鏡下挿管が増加しており喉頭浮腫が比較的高度な症例に対しても気道確保ができる場合がある. 今回, われわれは当院を受診した急性喉頭蓋炎73例について検討した. Katori らの重症度分類 (Katori 分類) ではⅠ度が36例, Ⅱ度が23例, Ⅲ度が14例であり, 田中らの重症度分類 (田中分類) では, 1点が33例, 2点が9例, 3点が17例, 4点が8例, 5点が6例であった. 気道確保を要した症例は73例中13例 (17.7%) で, 喉頭所見は Katori 分類でⅢBが12例で, ⅡBが1例であり田中分類では5点が5例で, 4点が8例であった. 気道確保の方法は, 6例は気管切開, 7例は内視鏡下挿管が施行された. 内視鏡下挿管は気管切開以外の選択肢として有用であると考えたが, 喉頭浮腫が高度で挿管困難が予測される症例に内視鏡下挿管を行うには, 日頃から麻酔科・集中治療医との緊密な連携が必要と考えた. Katori 分類ⅢBの13例中12例と, 田中分類4点以上の14例中13例で気道確保された. 窒息直前まで経皮的酸素濃度低下や自覚症状悪化を認めない症例も多く, Katori 分類ⅢBや田中分類4点以上の症例では早急に気道確保をするのが安全と思われた.</p>

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