唾液腺分泌がんにラロトレクチニブを使用した1例

DOI
  • 佐藤 瞭
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 川崎 朋範
    埼玉医科大学国際医療センター病理診断科
  • 松村 聡子
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 井上 準
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 蝦原 康宏
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 中平 光彦
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科
  • 山崎 知子
    埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科・耳鼻咽喉科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of Larotrectinib for salivary gland secretory carcinoma

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抄録

唾液腺分泌がんは2017年改定の新WHO分類に収載された唾液腺悪性腫瘍である。今回,胸膜転移による癌性胸水を伴う耳下腺分泌がんの症例を経験した。根治手術の適応はなかったが,生検検体からETV6-NTRK3融合遺伝子が検出され,トロポミオシン受容体キナーゼ阻害薬であるラロトレクチニブ投与を開始した。これに伴い,腫瘍の縮小,癌性胸水の減少,自覚症状の改善を認めた。投薬は継続され,病勢の悪化なく経過している。ラロトレクチニブは本邦では2021年3月に製造販売が承認され,国内における使用報告は本稿作成時点で1篇のみである。本症例では,投薬開始より速やかに奏効した貴重な使用報告になりうると考えられた。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 33 (3), 401-406, 2024

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

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