内視鏡・外視鏡によるHeads-up ear surgeryへの新展開

DOI
  • 伊藤 吏
    山形大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学講座

抄録

従来の側頭骨手術は顕微鏡下の骨削開を基本として行われてきたが,死角部位の盲目的操作を補完し,さらには低侵襲化を目指して,内視鏡補助下顕微鏡手術やTEESが開発された。当科では,術前MRIで推定された真珠腫進展範囲に合わせて術式を選択する「個別化医療」を行っており,進展が乳突洞までであればTEESで,乳突蜂巣進展例では鼓室は広角な視野を活かしたTEESで対応し,乳突部は外視鏡下の外耳道後壁保存型乳突削開術で対応している。真珠腫に対する内視鏡・外視鏡によるHeads-up surgeryは,人間工学的利点や教育的優位性に加え,顕微鏡の死角部位も内視鏡による直視下操作を可能とする優れた術式である。

収録刊行物

  • 頭頸部外科

    頭頸部外科 33 (3), 293-299, 2024

    特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580837569904896
  • DOI
    10.5106/jjshns.33.293
  • ISSN
    1884474X
    1349581X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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