胆囊癌による Sister Mary Josephʼs nodule の 2 例

書誌事項

タイトル別名
  • Two Cases of Sister Mary Josephʼs Nodule Caused by Gallbladder Carcinomas

抄録

<p>今回胆囊癌から臍へ転移をきたした 2 例を経験した。症例 1 は 83 歳,女性。初診 3 カ 月前より臍部に結節が出現した。腹部単純 CT で胆囊に不整形の腫瘤があり,肝門部を中心に肝内に進展する腫瘤・多発リンパ節転移・腹膜播種がみられ,胆囊癌の Stage Ⅳと診断した。緩和ケア目的に療養型病院に転院し,発症から 7 カ 月後に永眠した。症例 2 は 69 歳,男性。初診 1 カ 月前に近医かかりつけ内科の血液検査で肝胆道系酵素の上昇があり,造影 CT を施行した。肝門部に腫瘍がみられた。2 カ 月前から自覚していた臍部結節の精査のため当科を受診した。造影 CT で肝門部に不整形の腫瘤があり,肝内に進展する腫瘤と多発リンパ節転移,腹膜播種,多発肺転移を認め,胆囊癌の肝門部浸潤と診断した。臍部結節は皮膚生検より胆囊癌の皮膚転移と診断した。外来でゲムシタビン + シスプラチン療法を施行中で,腫瘍は縮小し浸出液もなくなり経過は良好である。臨床で臍部の腫瘍をみた場合,常に本疾患を念頭に置くことが重要であると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 86 (1), 47-50, 2024-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ