左母趾に生じた verrucous skin lesions on the feet in diabetic neuropathy(VSLDN)の 1 例

  • 水田 康生
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科 津山中央病院皮膚科
  • 瀧川 充希子
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科
  • 眞部 恵子
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科
  • 浅越 健治
    独立行政法人国立病院機構岡山医療センター皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Verrucous Skin Lesions on the Feet in Diabetic Neuropathy on the Left First Toe
  • ヒダリ ボシ ニ ショウジタ verrucous skin lesions on the feet in diabetic neuropathy (VSLDN)ノ 1レイ

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抄録

<p>55 歳,男性。コントロール不良の2 型糖尿病および高度の末梢神経障害を認めていた。10 カ 月前より左母趾に水疱,びらんが出現した。6 カ 月前より同部に角化性の紅色局面や腫瘤を形成し,増大してきたため当科を受診した。職場で安全靴を使用しており,日常的に左母趾に圧迫を受けていた。左鼠径に無痛性,弾性硬のリンパ節を複数触知した。有棘細胞癌も鑑別に隆起が強い部の部分切除生検と左鼠径リンパ節生検を施行した。腫瘤部の病理組織では,表皮は著明な角化を伴って内外方向に乳頭状に肥厚していたが,増生する角化細胞に異型性はなく,間質には毛細血管と膠原線維の増生を認めた。生検リンパ節には悪性所見なく反応性の変化であった。患者背景や臨床所見と合わせてverrucous skin lesions on the feet in diabetic neuropathy と診断した。患部の除圧,角質溶解剤およびステロイド外用剤塗布にて経過をみたところ縮小傾向となった。自験例では隆起部の部分切除により効果的に除圧することができ,良好な結果が得られたと思われた。外科的切除が無効であったとする症例報告もみられるが,自験例のように大型の腫瘤を形成する場合,腫瘤の減量手術は治療選択肢の一つとなり得ると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 86 (1), 35-38, 2024-02-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (4)*注記

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