熱伝導性コンポジット開発におけるプラズマ表面改質と環動高分子ネットワークの活用

  • 井上 健一
    名古屋大学低温プラズマ科学研究センター
  • 伊藤 剛仁
    東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻
  • 清水 禎樹
    産業技術総合研究所 先端オペランド計測技術 オープンイノベーションラボラトリ
  • 伯田 幸也
    産業技術総合研究所 先端オペランド計測技術 オープンイノベーションラボラトリ
  • 寺嶋 和夫
    東京大学大学院新領域創成科学研究科物質系専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Application of Plasma Surface Modification and Slide-ring Polymer Networks for Development of Thermally Conductive Composite Materials

抄録

<p>フレキシブルデバイスの実用化に伴い,柔軟な熱伝導性コンポジットの需要が高まっている。しかし一般的に柔軟性や強靭性といった機械的特性と熱伝導性はトレードオフの関係になるケースが多く,それらの特性を高水準で両立するコンポジットの開発は困難である。本稿ではこの課題を解決するアプローチとして,環動高分子を用いた可動架橋ネットワークとプラズマ表面改質によるフィラー分散を活用したコンポジット開発について概説する。フィラーの均一分散と組み合わせることで強く発揮される可動架橋点の滑車効果は,フィラー周辺での応力集中を緩和することで脆化の抑制が期待でき,両者の組み合わせによって柔軟性と強靭性を両立したコンポジット“タフコンポジット”が開発された。さらにフィラー電界配向による熱伝導パス形成とも組み合わせた,金属材料並みの高熱伝導性とゴム材料並みの柔軟性を持つタフコンポジット開発についても本稿にて紹介する。</p>

収録刊行物

  • Oleoscience

    Oleoscience 24 (3), 101-109, 2024

    公益社団法人 日本油化学会

参考文献 (25)*注記

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