SDラットにおける片腎摘出処置及び高リン食給餌による早期腎線維化病態の解析

DOI
  • 関口 敬大
    東京農業大学大学院 応用生物科学研究科 食品安全健康学専攻
  • 盛 喜久枝
    東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科
  • 宇野 絹子
    京都大学大学院 農学研究科 応用生物科学専攻 生体機構学分 東京農業大学 応用生物科学部 食品安全健康学科
  • 煙山 紀子
    東京農業大学 応用生物科学部 食品安全健康学科
  • 勝間田 真一
    東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科
  • 松崎 広志
    東京農業大学 応用生物科学部 栄養科学科
  • 美谷島 克宏
    東京農業大学大学院 応用生物科学研究科 食品安全健康学専攻 東京農業大学 応用生物科学部 食品安全健康学科

書誌事項

タイトル別名
  • Pathophysiological analysis of renal fibrosis in SD rats treated with unilateral nephrectomy and fed a high phosphorus die

抄録

<p>【背景及び目的】リンの過剰摂取は石灰沈着による尿細管障害を引き起こし、間質領域における線維化を惹起する。尿細管間質の線維化は腎機能の低下と相関することが知られているが、線維化が生じる機序については未だ不明な点が多い。本研究では高リン食の給餌により短期間で誘発される腎臓の線維化について病理組織学的な解析を実施した。【材料及び方法】5週齢の雄性SDラットに右片腎摘出処置(UNx)を施し、飼料として0.3%KH2PO4、または1.5% KH2PO4を与え、給餌期間は21日間とした。対照群は疑似手術を施したSDラットに0.3% KH2PO4を与え同条件で飼育した。解剖前に24時間採尿を行い、解剖時に腎臓を採取した。尿について生化学検査を実施し、腎臓について病理組織学的解析を行った。【結果】尿及び血液についての生化学的検査において、UNx+1.5%投与群で、Ccrの低下、U-ALB、尿中L-FABPの増加が認められた。病理組織化学的解析では、同群において、中程度~重度の炎症性細胞浸潤、再生尿細管、軽度~重度の尿細管拡張及び間質の線維化,ごく軽度~中程度の石灰化が観察された。また免疫組織化学染色では、尿細管上皮におけるCD44の発現、間質領域におけるα-SMA陽性細胞数の増加が見られた。【考察】UNx処置及び1.5% KH2PO4給餌によって、石灰沈着を伴う重度の尿細管障害が誘発され、それに続き尿細管間質に顕著な線維化が生じたものと考えられた。また、CD44の発現は先行研究と同様に再生尿細管上皮で発現し、それが線維化の進行に寄与していると考えられた。以上のことから、SDラットにUNx処置並びに高リン食を給餌することで尿細管間質の線維化が促進され慢性腎症の増悪要因となることを実験的に検証した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580870561287808
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p1-072s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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