機能評価国際標準化に向けた骨形成・石灰化関連遺伝子の網羅的探索

DOI
  • 泉谷 惇
    信州大学 大学院 総合医理工学研究科 生命医工学専攻
  • 馬 闖
    信州大学 大学院 総合医理工学研究科 生命医工学専攻
  • 信岡 英彦
    信州大学 大学院 総合理工学研究科 生命医工学専攻
  • 上野 麟太朗
    信州大学 大学院 総合理工学研究科 生命医工学専攻
  • 三村 将来
    信州大学 大学院 総合理工学研究科 生命医工学専攻
  • 上田 勝也
    信州大学 大学院 総合医理工学研究科 生命医工学専攻
  • 羽二生 久夫
    信州大学 先鋭領域融合研究群 バイオメディカル研究所
  • 齋藤 直人
    信州大学 先鋭領域融合研究群 バイオメディカル研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Towards International Standardization of Functional Evaluation: Comprehensive Search for Genes Related to Bone Formation and Calcification

抄録

<p>【背景】我々はin vivo実験を代替できるin vitro骨形成機能評価国際標準法の開発を目指している。前回、培地の違いで前骨芽細胞MC3T3-E1細胞(MC)の増殖性・骨芽関連遺伝子の発現状態・ALP活性・石灰化応答が異なることを報告した。そこで今回、異なる培地条件下の細胞に対し網羅的遺伝子解析を行い、骨形成機能評価の指標となり得る候補遺伝子の抽出を試みた。【材料と方法】アスコルビン酸(VC)不含αMEMとDMEMの各種培地(無処理培地)で培養したMCを培養用マイクロプレートに播種し、1日後に各種無処理培地及びVCとβグリセロリン酸を添加した石灰化誘導培地へと交換した。誘導から3日後における各種無処理及び石灰化誘導培地の4条件の詳細な遺伝子発現状態をマイクロアレイで確認した。誘導で大きく変化したまたは培地種間で発現差が大きかった遺伝子をいくつか抜粋しqPCRで検証した。【結果】マイクロアレイ解析の結果、αMEMとDMEMでは石灰化誘導刺激によって発現上昇する遺伝子の種類に違いが見られた。特に、既知の骨芽細胞分化関連遺伝子(IbspAlpl)の発現上昇はαMEMでのみ確認された。また、生体の骨修復に関連するとされるGpnmbはDMEMでのみ高い発現を示し、石灰化誘導刺激による変化も認められた。これらの遺伝子をqPCRでも検証したところ、マイクロアレイと同様の傾向を示し、培地の違いによるMCの遺伝子発現差を示唆する結果となった。【考察】培地の種類毎に遺伝子発現に差が見られ、抽出する機能指標候補遺伝子も異なった。多様なin vivo骨形成過程の各々に対応し、生体内の反応を的確に反映できる遺伝子や培地条件が存在する可能性がある。今後、様々なin vivo骨形成状態と照合しながらそれを特定し、国際標準法の提案につなげたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580870561310464
  • DOI
    10.14869/toxpt.50.1.0_p1-106s
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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