マイクロ流路デバイスとがんオルガノイドを用いた抗がん剤感受性評価システムの開発
書誌事項
- タイトル別名
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- Development of an Anticancer Drug Susceptibility Evaluation System Using Microfluidic Devices and Cancer Organoids
説明
<p> オルガノイドは複数種の細胞からなる三次元培養組織であり、二次元で培養された細胞に比べて生体内組織に近い性質を持つとされている。オーガンオンチップシステムは灌流装置とマイクロ流体を用いた細胞培養方法である。これらの技法はin vitroで臓器の構造や機能を再現し、将来的に動物実験を代替する有力な選択肢として期待されている。 </p><p> 本研究ではより生体に近い環境で薬剤感受性試験や薬剤による副作用の評価を行うことを目的に、乳がん罹患猫から作製した乳がんオルガノイドをCAD設計・アクリル切削加工により作成したマイクロ流路デバイスに搭載し、動物用抗がん剤であるトセラニブを灌流させ、非灌流時との比較解析を行った。 </p><p> トセラニブ10μMの培養液を9.5μl / minで48時間、猫の乳がんのオルガノイドに灌流させた後に、live/dead染色を行い、細胞生存率を解析したところ、抗がん剤を灌流させたオルガノイドにおいて生存率が顕著に低下していた。 また、顕微鏡像においても灌流したオルガノイドの形が不整になっていることが観察された。 </p><p> 今後は、PCRやRNAシークエンスにより、抗がん剤を灌流したオルガノイドと非灌流オルガノイドにおける分子機構の違いを明確にするとともに、灌流している最中のチップ内の培養液の流れ方のシミュレーション解析や、他の薬剤を使った灌流を行い、オルガノイドを搭載したマイクロ流路デバイスにおける灌流による効果をより詳細に検証する予定である。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P1-113S-, 2023
日本毒性学会