ヒトiPS細胞由来心筋シート組織の収縮力を指標としたドキソルビシンの慢性心毒性評価
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- 日向 裕人
- 日本光電工業株式会社 荻野記念研究所 東京女子医科大学大学院 先端生命医科学研究所
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- 加川 友己
- 日本光電工業株式会社 荻野記念研究所
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- 久保 寛嗣
- 日本光電工業株式会社 荻野記念研究所
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- 加藤 英里子
- 東京大学大学院 薬学系研究科 薬品作用学教室
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- 馬場 敦
- 東京大学大学院 薬学系研究科 薬品作用学教室 東京大学 Beyond AI 研究推進機構
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- 佐々木 大輔
- 東京女子医科大学大学院 先端生命医科学研究所
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- 松浦 勝久
- 東京女子医科大学大学院 先端生命医科学研究所
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- 清水 達也
- 東京女子医科大学大学院 先端生命医科学研究所
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- 澤田 光平
- 東京大学大学院 薬学系研究科 薬品作用学教室 一般社団法人日本薬理評価機構
書誌事項
- タイトル別名
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- Chronic cardiotoxicity evaluation of doxorubicin based on changes in contractile force of cell sheet tissues made from human induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocytes
抄録
<p>背景:慢性期に現れる候補化合物の心毒性を非臨床試験の段階で予測することは、臨床試験の失敗リスクを下げるために重要である。非臨床におけるIn vitroでの候補化合物の心毒性評価にはヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC-CMs)を利用できると期待されている。そこで今回、数時間の急性試験では心毒性が出ないDoxorubicin(Dox)をhiPSC-CMsに5日間暴露し、収縮性への慢性的な影響を評価した。 方法:心筋モデルは、hiPSC-CMsから作製した細胞シートをゲルに貼り付けてできる心筋シート組織を用いた。細胞は東京女子医科大学で分化誘導されたhiPSC-CMsを用いた。収縮力の測定は、ロードセルを用いて収縮力を直接かつ連続的に測定可能な日本光電製の測定システムを用いた。1Hzの電気刺激により拍動頻度を制御した心筋に対し、Doxを0.03、0.1、0.3、1 µMの濃度で暴露しながら5日間連続で収縮力を測定した。収縮性への影響を評価するため、得られた収縮波形から収縮期、弛緩期の各パラメータの変化率を解析した。 結果:Doxを暴露して24時間以降から、濃度依存的な収縮力の減少や不整脈の発生が確認された。Dox 1 µM群では、暴露開始6時間~18時間にかけて一時的に収縮力が増加し、その後は急激に減少した。また、Dox 0.1 µM群では収縮力の減少が表れていない早期の段階から、弛緩期における収縮力の変化率が上昇する様子が確認された。 結論:本研究では、Doxを5日間暴露した組織の収縮力を連続的に測定することで、収縮力が低下する前に現れる一過性の収縮力増加現象や、弛緩機能に関するパラメータ値が増加するといった複雑な応答が確認された。これらの結果は、Doxの心毒性プロセスにおいて複数の毒性メカニズムが働いていることを示唆していると考えられ、今後、臨床データと関連付けたさらなる研究が必要である。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 50.1 (0), P3-258-, 2023
日本毒性学会