介護職による終末期ケア実践のための養成カリキュラムに関する理論的考察

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タイトル別名
  • Theoretical Consideration of Training Curriculum for end-of-Life Care Practices by Nursing Professionals
  • カイゴショク ニ ヨル シュウマツキ ケア ジッセン ノ タメ ノ ヨウセイ カリキュラム ニ カンスル リロンテキ コウサツ

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抄録

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人口減少を伴った超高齢社会となる中で、特に人生の最期をどのように迎えるのかは社会的な関心事となっている。例えば、終活、厚生労働省による人生会議の啓発活動が代表的である。他方、実際は非病院死の割合が増加傾向にあるが、専門職の終末期ケアに関する技術基盤の体系化は進んでいない。本稿では、特に国家資格である介護福祉士養成カリキュラムが整備されて以降、今日までの内容を中心に終末期がどのように扱われてきたのかを検討する。ここで明らかになったことは、カリキュラム改定ごとに死についての取り扱いが増えてきたが、その理論的な背景は医療が基盤となっており、かつ技術習得を目指したものではない形で進められてきた。他にもカリキュラム上、死に逝く者の体の変化よりもこころの変化を先に学ぶようになっていることから、介護職の専門性である生活支援を踏まえたものとなっていた。このように、終末期ケアを提供時に介護職として理解しておかなければならないことは、医療に関する理解力とこれを踏まえた生活支援としての利用者へのこころのサポートであった。抽象的な内容であるが故に、専門職の学びとして死をどのように理解していくのかが課題である。

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