乳幼児心臓CT検査における造影剤と生理食塩水の同時注入法を用いた造影効果の検討

DOI
  • 吉田 汐里
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 長田 弘二
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 西郡 健太
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 佐藤 穂波
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 福知 千佳
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門
  • 山村 博
    金沢医科大学病院 医療技術部 診療放射線技術部門

書誌事項

タイトル別名
  • Contrast enhancement effect using simultaneous injection method of contrast medium and saline in infant cardiac computed tomography

抄録

<p>重要な要点</p><p>・造影剤と生理食塩水の同時注入法は,造影剤濃度の低濃度化かつ注入速度を高速化させることにより乳幼児心臓CT における造影効果を向上させる.</p><p>・造影剤と生理食塩水の同時注入法は,右心房周辺に生じやすい造影ムラを低減させる効果が見込める.</p><p>・造影剤と生理食塩水の同時注入法は,左右心腔内を均一に造影することが可能であり,心臓内腔構造評価に有用な注入プロトコールである.</p><br><p>要旨</p><p>【目的】乳幼児心臓computed tomography (CT) 検査における造影剤と生理食塩水 (生食) の同時注入法の造影効果を検討した.</p><p>【方法】造影剤注入後に生食後押しする方法 (生食後押し法) と造影剤と生食の同時混合注入後に生食後押しを行う方法 (同時注入法) の2 群について検討した.評価部位を右心房,右心室,左心房,左心室,上行大動脈,肺動脈本管レベルの下行大動脈の6 点として造影効果を比較した.右心房region of interest (ROI) 内のstandard deviation (SD) 値から右心房における造影ムラを評価した.心室内のCT 値の高い側を分母,低い側を分子とした左右心室造影効果比とする評価変数を用いて右心系と左心系のCT 値差の評価を行った.</p><p>【結果】全ての評価部位において造影1 相目では同時注入法で有意に高いCT 値を示した.右心房の造影ムラについては,造影1 相目では有意差は認めなかったが2 相目では同時注入法による造影ムラ低減効果が示唆された.左右心室造影効果比は同時注入法1 相目で有意に高値を示し,均一に造影されることが認められた.</p><p>【結語】乳幼児心臓CT 検査において,同時注入法は高い造影効果を得ることが可能であり,右心房の造影ムラ低減効果,左右心腔内を均一に造影する効果から,先天性心疾患に対する有用な注入プロトコールである.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390580914997574016
  • DOI
    10.34487/jsct.12.1_1
  • ISSN
    24342750
    24342769
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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