結腸癌肝転移に対する人工胸水下ラジオ波焼灼後に医原性中葉捻転をきたした1例

  • 田中 博
    新潟県立がんセンター新潟病院呼吸器外科
  • 岡田 英
    新潟県立がんセンター新潟病院呼吸器外科
  • 青木 正
    新潟県立がんセンター新潟病院呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of iatrogenic right middle lobe torsion after radiofrequency ablation with artificial pleural effusion for liver metastasis of colon cancer

抄録

<p>症例は68歳女性.横行結腸癌術後に肝転移と肺転移を発症し,肝転移に対して人工胸水下ラジオ波焼灼を施行された.治療後に右胸痛,咳嗽,血痰が出現したが自然軽快した.22日後の転移巣評価の全身造影CTで右肺中葉捻転が疑われた.感染および壊死の徴候を認めないため,3日後に胸腔鏡下中葉切除を施行した.葉間は完全分葉で,上葉と下葉はそれぞれ胸壁と横隔膜に癒着していたため,癒着のない中葉のみが人工胸水によって虚脱し,さらに中葉の転移性肺腫瘍の存在により中葉が反転するように浮力が働いた結果,捻転が生じたと推測した.捻転した中葉は炎症で下葉に癒着し臓側胸膜が肥厚していたが,手術は安全に終了し,術後経過問題なく退院した.人工胸水による肺捻転を予測して未然に防ぐことは困難であるため,人工胸水後早急に画像検査で肺捻転を発見できれば捻転解除術で肺を温存することができるかもしれない.</p>

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

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