珪藻の走光性に対するネオニコチノイド系殺虫剤の生態影響評価

書誌事項

タイトル別名
  • The ecotoxicological impact assessment of neonicotinoid insecticides on diatom phototaxis

抄録

<p> 水域に流出した一部の農薬が非標的生物へ及ぼす悪影響が懸念されている. 本研究では主要な一次生産者である珪藻の走光性に着目し, ネオニコチノイド系殺虫剤の生態影響について検討した. ネオニコチノイド系殺虫剤は正の走光性を促進或いは阻害する効果があり, イミダクロプリドは本実験の最高濃度である160mgL-1においてもNitzschia sp.の走光性を促進させた. チアクロプリドについてはNitzschia sp. 及びMayamaea pseudoterrestrisの走光性をそれぞれ最大で29%及び70%減少させたが, 環境中濃度において直ちに走光性が低下する可能性は低かった. 本研究手法の細胞数の計測によって走光性に与える生態影響を評価することが可能であった. 走光性に着目することで, 光が不均一に照射される実環境中での増殖阻害評価への応用に期待できる.</p>

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参考文献 (29)*注記

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