成人期にある知的障害を伴わない発達障害者のきょうだいの体験に関する研究

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タイトル別名
  • Experience of Siblings of Persons with Developmental Disabilities
  • An Examination of the Developmental Change Process
  • 9年後のペアデータの重ね合わせを通した変化の検討

抄録

本研究は,知的障害を伴わない発達障害者の成人期にあるきょうだいの体験と,その時間経過に伴う質的な変化を明らかにすることを目的とした。きょうだいの体験について,多様性を損なわずに変化のプロセスを検討することを狙いとして,本研究では,ある一人の障害者の姉二人を対象に 9 年間 2 回のライフストーリーインタビューを実施し,KJ 法を援用して分析した。横軸に同一時点での姉妹の語りを並列することできょうだいの個別性や多様性を検討することに加え,縦軸として 9 年後の姉妹の語りを重ね,きょうだいの体験と語りの変化をとらえることを試みた。その結果,成人期を特徴づけるテーマとして,障害の開示をめぐる葛藤,不妊治療と障害の遺伝をめぐる葛藤,そして想定と異なる親の老いをめぐる葛藤が浮かび上がった。知的障害がない場合,自立には困難が伴うものの行政支援の対象外となる例も多い現状の中で,きょうだいはさまざまな時点で家族との距離を個々にはかりながら,きょうだいとしての自身の生とケアを含む家族内役割を模索する体験が示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581003356466304
  • DOI
    10.24525/jaqp.23.special_s103
  • ISSN
    24357065
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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