メッシュフリー法による樹脂混練機内の充満状態と滞留時間分布の評価

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Filling State and Residence Time Distribution inside Plastic Mixer using Mesh-Free Simulation

抄録

<p>樹脂成形などの分野で広く用いられる二軸押出機や連続混練機に関し,混練性能や生産能力の向上のためには混練機内の流動状態を詳細に把握することが重要となる.流動状態の把握には数値解析技術が有効であり,近年は粒子法といったメッシュフリー法の発展にともない,混練機内の部分充満流動について数値解析による検討が進められている.著者らは,メッシュフリー法の一種であるElement-Free Galerkin Methodを利用した部分充満解析とマーカー粒子追跡を行い,異方向回転連続混練機のロータ形状と操作条件に対する充満率,平均滞留時間および滞留時間分布の関係について検討した.充満率については,同方向回転二軸押出機と同様に,流量と回転速度の比Q/nと線形関係にあることが確認された.平均滞留時間で正規化された滞留時間分布は,Q/nの大小によって滞留時間の長短に差異が生じ,特にQ/n>1.5では滞留時間分布が単峰から次第に双峰的になり,滞留時間分布が大きく変化することがわかった.さらにマーカー粒子の滞留時間の平均値と充満率から算出される平均滞留時間についての比較を行い,実験において平均滞留時間から推定される充満率は,充満率の軸方向分布が一様である場合は良い推定値となるが,軸方向充満率が不均一な場合について過大評価となることがわかった.</p>

収録刊行物

  • 化学工学論文集

    化学工学論文集 50 (2), 35-41, 2024-03-20

    公益社団法人 化学工学会

参考文献 (10)*注記

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