CQ6 成人喘息患者の長期管理において,中用量以上の吸入ステロイド薬(ICS)により12週間以上コントロール良好な場合にICSの減量(ステップダウン)は推奨されるか

  • 岡田 直樹
    東海大学医学部内科学系呼吸器内科学
  • 加畑 宏樹
    慶應義塾大学医学部内科学(呼吸器)
  • 田中 佳人
    国立病院機構弘前総合医療センター呼吸器内科
  • 本間 哲也
    昭和大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門
  • 三倉 直
    福島県立医科大学白河総合診療アカデミー

書誌事項

タイトル別名
  • IS INHALED CORTICOSTEROID STEP-DOWN RECOMMENDED FOR ADULT ASTHMA PATIENTS HAVE BEEN WELL CONTROLLED OVER THE LONG TERM WITH MODERATE OR HIGH-DOSE INHALED CORTICOSTEROIDS?

抄録

<p>成人喘息患者の長期管理において,中用量以上の吸入ステロイド薬(ICS)により12週間以上コントロール良好な場合にICSの減量(ステップダウン)は推奨されるかに関してシステマティックレビューにより検討した.対象となったRCTは7試験であった.LABA併用の有無に関わらず,ICSのステップダウンは全身性ステロイド加療が必要な喘息増悪を増加させなかった.ICSにLABAを併用した2つのRCTの統合解析では入院を要する喘息増悪を増加させなかった.呼吸機能(%FEV1,PEFR)や喘息コントロール(GINAの基準,ACQ-7 score),QOL(AQLQ,mini-AQLQ,SGRQ,EuroQoL score)への影響も認めなかった.また,LABA併用の有無に関わらず重篤な有害事象やステロイド関連有害事象は有意差を認めなかったが,観察期間が不十分であったため骨粗鬆症や肺炎などの長期的な有害事象についての評価はできなかった.以上より,中用量以上のICS投与にて12週間以上コントロールが良好な成人喘息患者のICSのステップダウンを弱く推奨する(エビデンスレベルC)が,長期的な喘息コントロールやステロイド関連有害事象の発生率については今後さらなる検討が必要である.</p>

収録刊行物

  • アレルギー

    アレルギー 73 (2), 206-212, 2024

    一般社団法人 日本アレルギー学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390581025651730816
  • DOI
    10.15036/arerugi.73.206
  • ISSN
    13477935
    00214884
  • PubMed
    38522936
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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