比較不可能だったアイヌ語方言分類 : 統計的方言分類を類似判断の点から再考する

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タイトル別名
  • (Un)comparable classifications of Ainu dialects : Reconsidering statistical dialect classification from the similarity judgments
  • ヒカク フカノウ ダッタ アイヌゴ ホウゲン ブンルイ : トウケイテキ ホウゲン ブンルイ オ ルイジ ハンダン ノ テン カラ サイコウ スル

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抄録

服部・知里(1960)とAsai(1974)は、基礎語彙データへの統計学の応用によってアイヌ語方言の分類を試みた研究である。しかし、それらは異なる項目に対して異なる類似判断を適用していたため、の分類結果は比較不可能であった。特に、長らく不明となっていた Asai(1974)が対象とした項目と大半の類似判断は、Ono(2020)のアルゴリズムと小野・深澤(2023)によってようやく明らかにされた。本研究では、Asai(1974)の110項目に対して服部・知里(1960)とAsai(1974)の類似判断を適用し、類似判断の違いがアイヌ語方言の統計的分類に与える影響を比較検討した。分析の結果、服部・知里(1960)からは「沙流・千歳(・樺太)型」が、Asai(1974)からは「東西型」の分類が得られた。人文学において、分類目的と類似判断の整合性を当該分野の知見から明確に検討する必要性が示された。

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